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2006 05,20 21:57 |
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その瞬間、思わず涙が出てしまいました。
隣にいた監督は、優しく私の頭を撫でながら私の顔を穏やかな表情で見つめ、 「良かったな…」 そう言ってくれました。 みんなが集まってベンチに戻ってきます。 「さあ、花桜梨、みんなを出迎えてあげなくちゃね!」 監督にそう言われて、私は涙を浮かべながら、笑顔でピッチに飛び出していきました。 みんなは私の姿を見つけると、嬉しそうな表情で私とハイタッチをしていきました。 そして最後にパットに抱きつきました。 「Thank you, and good job!」 私が英語でパットに言うと、パットも私の言いたいことが分かったのか、 「You're welcome, and happy birthday,Kaori!」 そう言って私に抱きついてきました。 こんばんは、八重 花桜梨です。
今日はFCはばたきとのゲームがありました。 と同時に、今日は私の誕生日でもありました。 北見監督は今回のゲーム、あえて私を外すことを決めました。 もちろん私が前のROOMMATES戦で気を失って病院に担ぎ込まれたこともあったと思うのです。 でも恐らく、監督の頭の中では、今日ははじめから私を外すつもりだったのかもしれません。 私を休ませると同時に、みんなで私の誕生日のゲームを勝って、私に勝利をプレゼントしようと考えていたのかもしれません。 と言ってもアウェー戦のFCはばたき戦。第2回TM杯の時とは違って、あちらは「最強の矛」を誇っています。 つまりは「最強の矛」と「最強の盾」のどちらが強いか、を争うゲームになります。 まずは開始早々、佐野倉さんを舞佳さんが倒してイエローを受けてしまいます。 横で監督は苦笑いです。まあWoody BELL'Zの伝統として、DFのイエローは想定内ですから、まあ仕方がないやという雰囲気でした。 前半はどちらもシュートは打ってきましたが、なかなか入る様子もありませんでした。 そんな中で、ボランチの若菜さんの調子がどうも良くありません。 監督もそれを察したか、早くも茜ちゃんにアップをさせています。 「監督、もしかして…」 私は女ですから、体調の悪い理由を何となく察しています。 「若菜から直接話は聞いてる。監督の判断で代えていいとは言われてる」 どうやら若菜さんは直接監督に言っているようです。異性に自分の身体のことを申告するのは恥ずかしいと思うんですけど、そういう意味では勇気があると思います。 ちなみにあとで若菜さんに聞いたら、確かに恥ずかしいけど、正直に申告しないとチームに迷惑をかけるから、ありのままに話すんだ、そう言っていました。 そして監督が次にプレイが止まった時に若菜さんと茜ちゃんが交代できるよう手配を整えたその時… ピッチではルーちゃんのスルーパスを受けたヒナが一瞬身体を止めてどうしようか迷ったあと、え〜い、ままよ! とばかりに振り向きざまのループシュートを放ちました。 ところが… それが入っちゃうんですよね… 打った本人が呆然としていました。まさか入るとは思ってみなかったんでしょう。 でもレイさんやシオ、涼ちゃんに抱きつかれていくうちに、自分のしたことの重大さに気がついたようでした。 嬉しそうに右手を挙げたあと、ベンチにいる私に向かってVサインをしてきました。 「ヒナ! 早く戻りな!」 そういう監督の横顔も嬉しそうでした。 そしてここからFCはばたきの猛攻が始まりました。 そう、「最強の矛」が本性を現しはじめたのです。 しかし対するのは「最強の盾」。目的が出来た「盾」は、とにかく粘り捲ります。 そしてまずエースの佐野倉さんを引きずりおろすことに成功しました。 でも残りのメンバーが決して攻撃の手を緩めてきません。残り20分近くから4トップにしてきました。 こちらも茜ちゃんをボランチに入れたあと、セリの代わりに優美ちゃんを投入、そしてシオの代わりに先生が入って司令塔が代わります。 それでも攻めは出来ずに、とにかく守る状態が続きました。 終了の直前に、ヒナが藤崎さんを倒してイエローを貰ってしまいました。 「ヒナ、余計だよ!」 監督は苦笑しながらヒナにそう一言。ヒナも「やばっ」という感じで舌をペロッと出します。 そして… ホイッスルが鳴りました。 宿舎に戻ってから、早速誕生パーティーが開かれました。 主役は私と、今日のゴールマウスを守ったパットです。 そう、パットも実は明日が誕生日だったんです。 Happy birthday to you, Happy birthday to you, Happy birthday, dear Cap and Patt! Happy birthday to you! 歌が終わると、私とパットでロウソクの息を吹き消しました。 そしてケーキがみんなに振る舞われます。 監督と先生、舞佳さんはシャンペングラスを片手に談笑しています。 私は意を決して監督にお願いしました。 「監督、あの… 私にもシャンペンを飲ませて下さい」 先生は「ダメよ、未成年なのに!」と言いましたけど、監督は苦笑しながら、 「先生、そう目くじら立てないで。花桜梨だってあと1年で成人になるんだし、アメリカとかでは18で解禁になるんだから…」 といって私にシャンペングラスを渡し、そして自分でシャンペンを注いでくれました。 「それじゃ、誕生日おめでとう、そしてこれからも宜しく」 グラスがぶつかる鈍い音をさせたあと、監督はシャンペンを飲み干します。私も監督にならって、シャンペンを飲みました。 …何だか気分が軽くなった気がしました。 これが大人の味なんだな、そう思うと同時に… 監督と一緒にまた飲みたいな、今度は2人きりでしみじみと… そう思う自分を感じました。 あの… 何か期待した人、いませんか? 例えば… お酒を飲んで気分が良くなって、服を脱いで裸になる、とか… 私が猫のようになっちゃう、とか… 私そんな変な女じゃないですよ!(笑) PR |
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