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2006 12,05 07:36 |
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おはようございます。八重です。
私と恵壬さんは北見監督に呼ばれてジーコジャパンのDVDを捜しまわりました。 結局見つかったのは藤崎さんの部屋の中。さすがにその先を見据えた藤崎さんらしく、アメリカの代表チームの選手の様子を撮ったらしいDVDもその近くにありました。 「トリック・スター」か… ケイト・ブッシュという選手だったかな。彼女の名前。 しっかりと刻み込まなくちゃ。 「花桜梨さん!」 恵壬が血相を変えて藤崎さんの部屋に飛び込んできた。 「どうしたの?」 「主人さんと清川さんの部屋に来て欲しいの!」 ただ事でない雰囲気の恵壬さんに、私も慌てて主人さんたちの部屋に駆けていきました。 そして部屋に入るなり… 「何これ?」 思わず絶句しました。 部屋があちこち掻き回されています。 「もしかしてくるみちゃん、思いっきり引っ掻き回しちゃったのかな?」 私も恵壬さんも、呆れてお互いの顔を見つめるしかありませんでした。 その後監督の部屋でDVDを確認しながら、北見監督と薫監督に主人さんたちの部屋の件を報告しました。 「それはちょっとくるみに話をしないといけないな」 監督もそう言って苦笑いしました。 「それじゃこれをみんなに見せんといかんやな」 薫監督が言います。 でも北見監督は苦笑いしながら、 「今日はやめておこう。あれを見たら、みんな研究どころじゃなくなる」 忘れていました。 みんなはあのビデオを見ているんでした! 「花桜梨、恵壬、悪いんだけど、あの子たちをちゃんとさせてくれないか」 監督の言いたい事も分かりました。 恐らく今あの中はとんでもない事になっているはずです。 でも今はミーティングの最中、の筈でした。 私たちは慌ててミーティングルームに戻りました。 ドアを開けると、もう遅い事が分かりました。 みんな気持ち良さそうに自分を慰めていました。 それこそ例外はいませんでした。 意識は半分飛んでいるのに、本能だけで指を動かしている、そんな女の子たちも少なくありません。 私たちはとにかくビデオを止めて、あっちの世界に彷徨っている彼女たちひとりひとりに声をかけていくしかありませんでした。 みんな最初は「どうしてやめさせるの?」と不機嫌そうな表情をしましたが、北見監督と薫監督が戻ってくる事を告げると、みんな何とか自分を取り戻して服装を整え始めました。 全員が服装を整え始めたのを確認してから、私たちは監督の部屋に戻りました。 監督の部屋にいくと、薫監督はどうもトイレにたったらしく不在でした。 北見監督にことの顛末を告げると、北見監督も苦笑いしながら、 「あれをそのまま流しっぱなしにしたのはまずかったかな?」 と言いながら、器用に私が渡したDVDをパソコンに入れて、何かを操作し始めました。 そしてミーティングルームに戻るか、と席を立ちました。 とりあえず北見監督と途中で合流した薫監督と一緒にミーティングルームに戻ると、みんなちゃんと椅子に座って待っていました。 でも… みんなの表情がほのかに赤くなっているのが私にも分かりました。 監督が前に立つなり、みんなに聞いてきました。 「正直に答えて欲しいんだけど、俺たちがいなかった間に、何かあったのかな?」 最初は誰も答えませんでした。 だって、誰だってあんな恥ずかしい事をしてたなんて、さすがに言えませんよね。 「若菜、正直に答えてくれないか? 別に起りはしないから」 監督が若菜ちゃんにそう優しく問いかけます。 ずるいですよね、女の子の心理を逆手に取るなんて。 若菜ちゃんはそう言われると監督には逆らえなくなっちゃうのに。 予想通り、若菜ちゃんは、 「はしたない事なんですけど、あのビデオを見ながら私たち、自分を慰めていました」 と、顔を真っ赤にして告白してしまいました。 その若菜ちゃんをかばうように、黒詩織さんが、 「それのどこがいけないの? 監督たちだってしたくても相手がいない時ってそうするでしょ? 私たちだってそうなの。したい時にはする、それって当たり前じゃないの?」 と監督たちに喰ってかかりました。 「別に俺はその事は怒っていないよ。DVDを探さなくちゃっといって、あのビデオをそのままにして出たんだから」 監督はそう言ってから、 「すみれちゃん?」 と声をかけました。 すみれちゃんは一瞬ビクッと身体を震わせました。 「別に怒りはしないから、正直に答えて欲しいんだ。どうだった?」 すみれちゃんは監督に聞かれてしばらく黙って何か考えていましたけど、意を決したかのように監督に向き直って、 「すごく気持ちよかったです。私の中で最初はそんな事をしてはダメだよ、と思っていました。でも、結局その誘惑には勝てませんでした。それに…」 「それに?」 「佐倉さんがどうすれば気持ちよくなれるか、懇切丁寧に教えてくれたんです。その通りにするともっと気持ちよくなって、それを見ている佐倉さんも『気持ちよくなったでしょう、良かったね』と言われると、なんだかそれが悪い事じゃないような気がして…」 佐倉さんったら、そんなことまで… 「でもみんなで話し合ったんです。この気持ちを共有できて、何だか1つになれた気がします」 白詩織さんが口を出してきました。 「私も高見さんにやり方を教えて貰いました。その時に、決して厳しくするだけでなく、むしろ上手くアドバイスをしながら乗せていくようにしてやらせる高見さんのアドバイスに、私がすべき事が見えていたような気がしました。ただ怒ってやらせてもついてこない、ならいかにのせるべきか、それを考えなくてはいけないんだな、って思いました。今なら監督がおっしゃった100.5%のパスをみんなに出せそうな気がします」 「それが分かればいいんじゃないかな」 藤崎さんの話を聞いた監督は、そう言って話を締めました。 「このチームに欠けているもの、それは恐らく信頼だったと思う。その土台となっているのは、『相手の心を思いやる力』だと思うんだ。それが外から見ていた時に、特に藤崎さんや高見さんには欠けている気がした。だからあんな辛らつな事を言ったんだ」 監督はそこまで計算して、いたんでしょうか? 「いずれにしても今日このままじゃミーティングは出来ないだろう。とにかくしっかりと身体を休めて、明日の夜のゲームに備える事」 「はい!」 みんなが明るい声で返事をしました。 ミーティングが終わった、そう思って席を立とうとしたその瞬間、 「但し!」 監督はそう言ってみんなを引き止めました。 「この事を作ったきっかけを話して欲しい。関係者は?」 みんなの中から、光ちゃんと望ちゃん、そしてくるみちゃんが手を挙げました。 光ちゃんたちはこのDVDの持ち主、くるみちゃんはそのDVDを探して持ってきた張本人です。 光ちゃんが言うには例のDVDはわざわざB代表にいる麻生さんが送ってきたものだそうで、自分達が持ってきていないと言いました。確かにこの合宿場宛に荷物が届いていたとのことで、仕方ないという事になりました。 でもくるみちゃんは結局人の荷物を漁って他人の所有物を持っていったわけですから、それは許せないという事になりました。 ということで… あのあと私と恵壬さんは監督の部屋に行って、自分達が出来なかった分、監督に思いっきり楽しませて貰いました。 やっぱり監督にしてもらうのって、ひとりでするのより本当に刺激になります。 私も恵壬さんも積極的に監督の愛情を受け入れました。 その監督室の廊下。 イヤホンをつけたくるみちゃんが正座で2枚のプラカードを持って泣いていました。 ちなみにイヤホンからは、中で私と恵壬さんが監督に可愛がられている様子をライブで流してもらっています。 くるみちゃんにも、私たちの辛さを味わってもらわなくちゃね♪ とにかく今日のゲーム、1つになった私たちを見て下さい。 PR |
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