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2006 11,18 23:57 |
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こんばんは、綾崎 若菜です。
昨日は申し訳ありませんでした。 まさか北見コーチも薫コーチも揃ってダウンするとは思っていなかったものですから、みんなバタバタしてしまいまして、誰も書けなかったようですね。 ちなみに今日は北見コーチも薫コーチも風邪が治って練習を見ていましたけど… 監督たちが何も言わないまでも、私たちのチームは変わっていました。 確かに昨日は、みんな大変でした。 監督が揃ってダウンしたため、予定のメニューが全く分からずに、基礎練習に終止しました。 戦術練習なんて出来ないんじゃないかな、そう不安に駆られながら、昨日は練習を終えました。 その不安が到頭私たちを動かしました。 番御飯を食べる時に、八重さんが、 「みんな、このままでいいと思う?」 そう私たちに聞いてきました。 みんな、八重さんを見つめています。さすがにみんなも今回の合宿の状況がただならぬものになっていることに気がついたようでした。 夏の合宿では理不尽ともいえるほどに厳しいものだったそうです。でもここに来てから基礎練習だけしかしていません。 「うん、ボクもなんだかここに来てなんだか不安になってきたよ」 後藤さんが顔をしかめながら答えました。 「向こうはなんだか戦術練習をやり始めたという話も聞いているからね」 主人さんが答えます。あっ、そういえば旦那さんはB代表のコーチをなさっているんでしたね。 「でもさ、本当にどうすればいいんだろう。やはり北見コーチがいないと心配になるわ」 高見さんの発言。確か北見監督のことは嫌っているはずだったと思いましたけど、さすがに同じ代表チームに所属していて、そんな余裕もないのかも知れませんね。 「とにかく監督に意向を聞いてみた方がいいんじゃないですか? 何でしたら私が北見コーチに聞いてみます」 藤崎さんがそう言って席を立とうとすると、八重さんも、 「私も行ってみます」 そう言って席を立ちました。 私を含め、多くの人たちが北見コーチと薫コーチの部屋に押しかけました。 「どうしたんだ、みんな揃って部屋に押しかけてきて。風邪が移るぞ」 北見コーチは笑いながらも私たちを迎えました。 「とりあえず明日の練習は大丈夫なんですか?」 八重さんが心配そうに聞きます。さすがにコーチの「彼女」ですね。 「俺も薫さんも明日は大丈夫だと思う」 みんなの表情にやっと明るさが戻ってきました。 「あと2日になってしまったけど、何とかみんなの動きを見ておきたいからね」 北見コーチも笑いました。 「ところで、戦術練習とかはどうしますか?」 藤崎さんが聞きました。 「今回の合宿ではそんなことはしないよ」 北見コーチはこともなげに言いました。 えっ!? みんながビックリした表情になりました。 「わざわざ戦術練習をしたら、うちはこんな形でやりますよ、ってわざわざ敵に教えるようなもんじゃない。それじゃ面白くないしね」 監督は平気な顔で解説します。 「それじゃこの合宿は?」 主人さんが聞きます。 「とにかくしっかりと身体を作ること。それからみんなの能力を見極めること。それが大きなポイントだ」 「能力を見極める?」 今度は波多野さんです。 「そういうこと。とにかく全力でプレーしてみて、みんなの1人1人の可動領域を確認すること。戦術練習は争奪決定戦の後からでも充分間に合う。というより…」 監督はそう言って、 「今ここで固めても、俺だけでなく、ここにいる選手の半分近くはテストマッチまでの間に1回代表用の戦術を捨てないといけないからね」 「戦術を捨てる?」 ビックリした表情で野咲さんが聞きます。そう言えばうちのすみれちゃんと一緒で、結構可愛いですね。監督、もしかしたら彼女にも教えたいんじゃないんでしょうか? 「だってさ、俺は花桜梨やマリ、若菜、留美とともにWoody BELL'Zとして争奪決定戦に参加し、恵壬やティナ、くるみにDF3人衆と戦わなければいけないんだから。じきに敵として戦うのが分かっているのに、わざわざ同じチームで同じ戦術を確認するのも、ね」 なるほど、そう考えれば監督がそう合宿で完成を急がないのも分かります。 「まあ明日はゲーム形式でいろいろとやってみるつもりだけどね」 監督の言葉に、みんなが歓声を挙げました。やはりみんな、ゲームで感覚を磨きたいと思っていたんでしょうね。 やっとこのチームも動き出したという感じがしました。 「それと、ここでみんなに宣言しておきたいことを言っておく」 監督がそう言って真剣な表情になりました。 みんなも真剣な表情になります。 「今まで特にキャプテンを決めていなかったし、みんなの中には藤崎をキャプテン視する空気があるように感じた」 確かにみなさん、アメリカ帰りの藤崎さんのことを特別視する空気がありました。 「だけど正式に代表が決定するまでの間、俺はキャプテンに花桜梨を指名したいと思う」 これにはみんながざわつきました。まさか北見コーチまでアントニオ監督に逆らうことを… 「誤解しないで欲しいんだ。アントニオ監督は『キングダムサッカー』をチームの柱にしたいと思っているようだ。だけどそれは藤崎に全ての権力を押し付けることではない。むしろ藤崎が権力に押しつぶされてしまうのが怖いと思っている」 「そんな御心配は無用です」 藤崎さんがそう言いましたが、 「それじゃ藤崎は、守備陣が点を取られることまで責任をとれるか?」 そう聞かれた藤崎さんは、真っ青な顔をしました。 「キャプテンというのは、そういうところまで責任を取ることだってあるんだ」 コーチはそういうと藤崎さんの頭を撫でた。 「藤崎、お前には自由にゲームを作って欲しいと思うんだ。別に難しく考えずに、自分の思った通りにゲームを作ってくれればいいと思っている。それが君を輝かせられると思っている。責任のあるキャプテンは花桜梨がやり慣れているし、花桜梨にしてみれば向こうのキャプテンが涼子だから、なおのこと一生懸命頑張ると思うんだ」 藤崎さんは北見コーチに頭を撫でられながら、コーチの言葉をしばらく真剣な表情で考えていましたが、 「分かりました。北見コーチの指示に従います」 そう言って引き下がりました。 そういうことで今日はゲーム形式の練習を行ったのですけど、本当にみんな、一生懸命自分の精一杯のプレーをしているのが見て取れました。 みんなのプレーを見ていた北見コーチ、嬉しそうに私たちを見つめているのが分かりました。 PR |
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