北見です。
　今日は朝早くから移動することになっていますが…

　朝目が覚めると、花桜梨が抱きついて寝ています。
　まあ、いつもならこのまま「花桜梨、起きようぜ」と言って軽く頭を撫でたり、顔をちょっと引っ張ったり（あくまでも軽く、ですよ）
　そうすると花桜梨も目が覚めて、「おはよう」って言ってくれるんですけど…

　どうも今日は旅先ということもあって、「俺」が早くもヒートアップしています。
　しかも寝ている途中にパンツが脱げてしまったようで、「俺」は花桜梨の体温をちゃんと感じてしまっています。
　とうとう「俺」の暴走が始まりました。
「俺」は花桜梨の温もりを感じながら、一生懸命「花桜梨」を探します。
　しばらく腰を使って捜しまわっていた「俺」は、とうとう「花桜梨」を見つけました。
「花桜梨」は何もつけていませんでした。「俺」は喜んで「花桜梨」とキスをします。
「俺」はそのまま「花桜梨」に入っていきます。
　軽い抵抗はありますが、決してダメという訳ではなさそうです。
　自信をつけた「俺」は２度３度「花桜梨」に軽く入って準備運動をしてから、反動をつけるために腰を引いて、次に「俺」は「花桜梨」目がけて突進していきました。


　それまで感じていた「花桜梨」が、そこにはいませんでした。
　そして次には左頬に鋭い痛み。

　下では花桜梨が苦笑いしながら私を見つめていました。

「呼人さん、エッチをしないように、って言っていた張本人が、どうしちゃったんですか？」
　花桜梨は悪戯っぽく笑っています。
「えっ、花桜梨、どうしたの？」
　実は頭がちゃんと回っていなかったので、「俺」の暴挙には気づいていませんでした。
「呆れた。呼人さん、さっき私とセックスしようとしてたんだよ。私が気づいて身体を上にずらしてなかったら、呼人さんの意識がないままロストバージンさせちゃってたんだね」
　花桜梨はジド目で俺を見つめます。
　…でも決して怒っているという感じではなく、なんだか意地悪をしている風な感じです。
「明日からは別の部屋で寝ることにしよう。私も呼人さんとちゃんとした形でロストバージンして欲しいし♪」
　花桜梨がちょっと意地悪く言うので、やっと目が覚めた俺は、
「ゴメン」
　と謝りました。
　しばらくの静寂の後、どちらからともなく吹き出し笑いが起こりはじめました。


「そう言えば、監督が寝たあとに、携帯に電話が入っていたみたいよ」
　花桜梨に指摘されて、俺は携帯を手にして確認します。
　着信履歴が１件、そしてメールが１件
　着信履歴はWoody BELL'Zの事務所です。そしてメールはかえちゃんの携帯。
　一体どうしたんだろう？　そう思ってメールを見ました。


「佐倉です。
　もう監督がお休みのようですので、メールで連絡します。
　実は、また今日サポーターのリーダーが事務局に来ました。
　この前の蹴球団戦のことかと思って身構えていたのですが、そうではなく、また別のトラブルが発生した、ということでした。
　なんでも、またチケットが買い占められていた、ということでした。
　しかも、蹴球団戦と同じように、埼玉で買い占めてるようです。
　一体何がなんだか…
　とりあえず連絡でした。」

　また？
　一体何がどうなっているんだか。
　蹴球団戦では確かにうちも同じことをしようとはしましたが、２戦続けての買い占め劇には何か裏がありそうです。
　とりあえず移動の際にいくつか当たらなくちゃならなさそうです。