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2007 05,02 21:28 |
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こんばんは、千葉です。
相変わらず厳しいトレーニングは続いています。 監督達は藤崎さんの看病等の都合で、昨日は北見に戻っていました。そこで簡単に打ち合わせをしてから、奥日光に戻ってくることになっていました。 しかし、今日戻ってきた北見監督の表情は、非常に険しい表情になっていました。 北見監督が合宿所に戻ってきて間もなく、緊急でミーティングが召集されました。 召集されたのは八重さんと涼ちゃん、恵壬さん、鞠川さん。そして私です。 北見監督はみんなを召集して間もなく、こう言いました。 「シオがとりあえず目を覚ましたそうだ」 みんなはその言葉に、思わず喜び回りました。 でも次の言葉が、私たちの心を深く抉ります。 「その際に、看病していた妙子に『俺の対応はまずかった。もしかしたらWoody BELL'Zはこの先勝てないかも知れない』そう言ったんだそうだ」 みんなが愕然としました。 藤崎さんははっきりと北見監督に反旗を翻したようなものです。 私はその時外部の人だったから詳しくは分かりませんが、かつて北見亜監督の方針に逆らって、それで謹慎処分を受けた選手もいるそうです。 ましてや藤崎選手は大怪我をしたとはいえ、主力の選手です。 さっきと違って、会議室は水を打ったように静まり返りました。 北見監督も、先の言葉を考えているようで、全く何も喋りません。 「妙子から話を聞いて、実は何考えているんだ! そう思った。恐らく俺がそのままシオの話を直接聞いていたら、シオに断罪をしていたと思う」 北見監督はそう言って話を始めた。 「だけど、ここに来るまでの間に、今回の事を考えていたんだ。その結果、俺はこう考えた」 北見監督はそう言って、みんなを見渡した。 まさか藤崎さんを断罪するのでしょうか? 「悪いのは俺。シオはチームの事を思って厳しいことを言ってくれたんだ。だから俺からはペナルティは出さない」 北見監督はそう言って藤崎さんを許したのでした。 「良く考えたんだ。俺がやったことを。果たして、その場にいるみんなに満足させるゲームをさせられたか…」 「満足させられたと…」 八重さんがそう言おうとして、北見監督に制止させられました。 「俺は思わない。むしろ、Woody BELL'Zを応援してくれたサポーターのみんなに非常に失礼なことをしたと気づかされたんだ、と」 みんながビックリしたような表情をしました。 「おれたちは確かにシオが大怪我させられたということで、ある意味浮き足立ってしまった。それでも延長前半まではシオが戻ってくることを信じて一生懸命頑張っていた、そう感じた」 みんなが頷きます。 「でも延長前半が終わった時点で俺はシオがすぐには戻れないことを言ってしまった。その時点で、俺はこのゲームを続ける意味があるのか、そう疑いを持ってしまった。それが延長後半にはみんなに伝わってしまった、そう感じたが?」 ここでもみんな首を縦に振りました。 「それじゃいけなかったんだ」 「ダメだったんですか?」 涼ちゃんがビックリして聞き返した。 「ああ。確かにうちはシオを怪我で欠いて、精一杯の事をしました。それで満足でしょう? そういうゲームを園長後半にしてしまった」 「そうですけど…」 「それじゃ、お金を払ってWoody BELL'Zの応援をして下さったサポーターに対してはどう申し開きをしたらいいんだ?」 「えっ、だ、だから藤崎さんが…」 佐野倉さんがそう言うのを北見監督が制止した。 「そうではない。現実問題として、桜花杯から3戦連続完封負けのこの現状を、サポーターたちにはどう納得してくれと言うんだ、ということ」 みんな押し黙ってしまいました。 「確かに攻撃に行こうとやり過ぎて1バックで対応した最初のゲームは俺が悪い。でも次の2戦はどちらも1失点に抑えているんだ。守備陣としてはそれが精一杯だと思う。ましてやFCはばたき戦は普通なら引き分けの場面だからな。そういうゲームで、シュートに行けない、シュートの制度が悪い、こんな攻撃陣をサポーターは納得してくれるのか?」 「…」 「TLS戦は2戦合わせてシュート6本、枠内ゼロ。FCはばたき戦は後藤が2本、シンディ1本。こんな下手くそな攻撃陣を、サポーターは笑って許してくれると思う?」 「…」 「こんなゲームを記念杯で続けられたら、確実に暴動が起こるよ。のみならず、サポーターからそっぽを向かれる。そういうチームになりたいの?」 「なりたくないです!」 八重さんがそう答えました。 「なら、君達は文句をいわずに今すべきことをして欲しい。厳しい練習でもしっかりとついてきて欲しい」 「はい!」 「俺もゲーム中はチームを勝たせることに専念する。怪我人が出ようと、ゲームが終わるまではその事は一切無視する」 「分かりました!」 みんなが凛とした表情で答えるのを見た北見監督は、やっと穏やかな表情に戻った。 「それじゃ、今日の練習の時に俺から話はするから、今日はみんなの気持ちをしっかりと表に出して練習に取り組んで欲しい。それがWoody BELL'Zとしての『答え』と判断しよう」 「はい!」 みんなはそう言って会議室を出ました。 その後北見監督から話があり、八重さんの号令のもと練習に励みました。 誰もが緊張した面持ちで、自分のできることを真剣に取り組んでいました。 Woody BELL'Zがこれをきっかけに良くなっていくといいな、と思いました。 PR |
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