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2006 06,18 11:51 |
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こんにちは、綾崎 若菜です。
昨日は本当にビックリしました。 まさか、あそこで私の名前を呼ばれるなんて… 今日私は、監督のすぐ横に座らされました。
不思議に思いながらも、私は監督の横で、監督の様子を見ておりました。 結構監督は怒ることがありません。ある程度ピッチに出ている皆さんにお任せしているところもあります。まあ、井上さんや鞠川さん、八重さんとその道のエキスパートの方がいらっしゃりますので、いちいち指示を出す必要がない、そんなチームを作っているからかもしれません。 ただ監督は、ゲームが始まる前、私にこう言いました。 「若菜、今日は若菜には涼子の動きをしっかりと見てもらいたい。そして、自分ならどうするか、考えて欲しい」 ゲームが始まりました。 私は井上さんの動きをしっかりと見ていました。 あれ? 何となく動きが妙なところがありました。 ここをこうすれば、もっとみんなが攻められるのにな… ここは、こうした方がもっとボールが通りやすいのにな… なんだか井上さんの球出しに違和感を覚えた印象を受けました。 ハーフタイムのとき、攻撃陣は井上さん、守備陣は鞠川さんのところに集まって、それぞれ感じたところを修正していきます。 八重さんは最後尾から見たポイントを的確にみんなに伝えて行きます。 八重さんは全部のポジションを一通り体験しているので、守備面のポイントも攻撃面のポイントも的確に伝えられる能力があります。さらに守備面でいうと、前節からDFに復帰した鞠川さんが、第2回TM杯の経験と、今までのFWとしての経験を合わせて守備陣に伝えているので、今まで以上に中身の濃いミーティングになっています。 私は監督の傍にいて、監督と話をします。 私が前半思っていたことを伝えると、監督も、 「やはり若菜も今日の涼子の動きはおかしい、と気づいたか」 そう言いました。 そこに、攻撃陣と守備陣にポイントを伝えた八重さんが監督のところに来ました。 「若菜さんに聞きたいんだけど、今日の涼ちゃん、どこかプレイがおかしいと思わなかったかな?」 八重さんも今日の井上さんの動きは不審に思ったようでした。 私は自分の思ったことを監督と同じように八重さんに伝えると、八重さんは監督と顔を見合わせて、妙に納得したような表情を見せました。 「どうかしたんですか?」 私が2人に聞くと、八重さんは苦笑いしながら、 「恐らく今、涼ちゃんは精神的に混乱しているのかも知れない。ほら、今まで司令塔に立ってゲームをコントロールしていたんだけど、自分がやっても得点には結びつかないのに、先生が入ると途端にぽんぽんゴールが決まるもんだから、涼ちゃん、自分のスタイルを見失っていると思うんだ」 と言いました。 確かに言われてみると、井上さんの動き、どこか焦っているようにも見えます。 「ヒナや先生が活躍するようになって、シオも涼子も焦っているのかも知れないね。普段通りの力を出せばそんなに簡単にポジションを奪われることはないのに」 監督も同意します。私も同じ意見でした。 「花桜梨、涼子に前半と同じようなプレーをしたらレギュラー取り上げるぞ、と言っておいてくれないか。その際に『今日交代したら3回目だからな』とも言っておいてくれないか?」 3回目… うちでは戦略的にゲーム途中で交代することはありますが、それでも涼子さんは2回続けて途中で出されています。つまりそのポジションに見切りをつけはじめているよ、そういう意味を伝えろ、と言うことでした。 花桜梨さんは蒼い顔をしてその場を離れました。 そして後半、監督は立て続けに交代をしました。 最初は伊集院さんを出しました。その際、入れたのはDFの一文字さん。 あれ、と思いましたが、一文字さんに監督は、マリの指示を思い出して、自分がマリの立場だったらどうするか、それを考えてプレーしろ、そう言っていました。 とりあえずマリをCFに上げるための交代でした。 そしてその2分後、今度はその鞠川さんを下げ、藤崎さんを入れました。 その藤崎さんには、トップ下の動き、つまり井上さんのポジションの動きを指示していました。 この時点で、井上さんは断罪された、そう思いました。 2人目の交代が出され、藤崎さんが井上さんに話をすると、井上さんは真っ青な顔をして監督を見つめました。そしてCFに移りました。 監督は最初の交代と2度めの交代では、全く違う表情を見せていました。 最初に下がってきた伊集院さんには、監督は厳しい表情をしていました。 実際得点を挙げる動きは出来ていませんでした。監督が怒るのもしかたがないと思いました。 しかし鞠川さんが下がってきた時には、監督は嬉しそうに鞠川さんの頭を撫でました。 撫でられた鞠川さんも、嬉しそうに笑っています。 そう言えば鞠川さん、DFに戻ってから雰囲気が変わりました。 鬼軍曹と言う雰囲気が復活しているのですが、決して怖い雰囲気だけでなく、楽しそうにチームを率いている、そんな印象を受けます。 鞠川さんにとっては、CBって天職なんでしょうね。 そして3人目の交代で、先生を入れて、井上さんを降ろしました。 その井上さんに向かって、監督は一言、 「涼子、今日で3度目だな」 その言葉を聞いた井上さんは、真っ青な顔をしてベンチに座り込み、顔をタオルで覆っていました。 その姿は、前節の私の姿でした。 私は鞠川さんのDFコンバートによって、CBを追われた九段下さんに自分のポジションを奪われました。 もう監督に見捨てられたかな、そう思いました。 でも監督は、決して見捨てていなかった、そういう気がしました。 自分を良くする努力をすれば、絶対にその思いは報われます。 私は今回の一件でそう強く感じました。 私の力がどれだけ及ぶか分かりませんが、少なくてもチームが勝てるように精一杯頑張りたいと思います。 そして… 井上さんも早く立ち直ってもらいたいと思います。 PR |
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