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2006 10,22 13:22 |
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こんにちは、館林です。
悪夢のゲームが終わった後、今日はレギュラー組は身体をダウンさせることになっています。 しかし、集合時刻にもなっても現れない選手がいました。 他ならぬキャプテンの八重さんでした。 そして… もうひとり、来ていない人がいました。 そう、北見監督でした。 「やえっち、結構しょげ返ってたね」 セリがストレッチをしながら呟きました。 「あんな形で最下位チームに逆転負けして、相当ショック強かったのかな?」 ヒナがやはり考え込むような表情です。 「でもあれはやえっちのせいじゃないよ。1点目はあたしのポジショニングミスだし、2点目はあれは抜けた伊集院さんの執念を称えるしかないよ」 マリがこれもぽつりと。 かつてTM杯で花桜梨さんが怪我をして欠場したことがありました。 その時にはうちの選手は、花桜梨さんの分まで頑張ろう、そう思って一生懸命頑張りました。 でも今日はそんな感じではありませんでした。 「花桜梨を第2ステージの間もう出さない」 北見監督はそう宣言しました。 キャプテンを張る人に、あえて戦力外通告を申し渡した意味、もちろん今のみんなには良く分かっています。 今は緊急事態なんだ、レギュラーなんて関係ない、そんな厳しさが垣間見えます。 実際に次のゲームでは八重さんだけではなく、涼ちゃん、セリ、恵美さんもベンチに下げる、そう明言していました。 そして出場停止の明けたナツも、おそらく次は出さないと思います。 そしてミーティングが始まります。 いつもは北見監督が座っている席に、今日は麻生コーチが座っています。 まるで最初から今日は監督が来ないのを知っているかのように。 「まずみんなに伝えたいことがあるわ」 麻生コーチの一言で、みんな静まり返ります。 麻生コーチの雰囲気から、ただならぬことを察したからかもしれません。 「今日から当分の間、八重さんはチームから離れることになりました」 みんなが唖然といった表情をしました。 当然でしょう。別に怪我をしている訳ではないのに、なんでチームから離れるんでしょうか。 「八重さん、北見監督に言ったらしいの、私をキャプテンから外して欲しい、と」 麻生コーチの一言に、またざわついた雰囲気が甦ります。 「八重さん、第2ステージに入ってから、キャプテンとして悩んでいました。どうして勝てないんだろう、って」 確かに3回しか勝っていません。でも負けたのも2回しかないんですよ。 「確かに2回しか負けていない、そういう言い方もできるでしょう。でも6回も勝てていないのも事実なんだよね。しかも『最強の盾』と言われた守備陣が2失点されるという失態が2度」 麻生コーチは一回言葉を切りました。 「そして、その2失点は八重さんがゴールを守った時。その間2回はパットがゴールを守っているから、実際には八重さんが立て続けに2失点を喫したことになるの」 言われるまで気づきませんでした。 「それで八重さん、すっかり自信がなくなったの。北見監督の話では、自棄になってメチャクチャにして欲しい、って監督に頼んだそうよ」 「花桜梨さん…」 涼ちゃんも八重さんのことを聞いて、すっかり目がうつろになっていました。 そう言えば涼ちゃんもある意味戦犯のようなものです。 「だから、八重さんは監督と、自分を取り戻すためにいろんなところを旅するんだ、そう言ってた」 えっ!? この大事な時期に監督とキャプテンは私たちのことを放っておいて旅に出たの? みんな唖然となりました。そしてそれは次第に怒りの表情になっていくのが分かりました。 自分の顔を見ることは出来ませんが、私もそうだったかもしれません。 「多分あの2人に怒りを感じているかもしれないけど、私はしょうがない、と思っている」 麻生コーチは、珍しく達観した表情でみんなに話しています。 「えっ!?」 陽ノ下さんがきょとんとした表情になります。 「監督も恐らく、本当に悩んでいることがあると思うの」 「どういうことですか?」 若菜さんが落ち着いて聞きました。 「監督も、今度の代表チームのメンタルアドバイザーへの就任を打診されていることはみんなも知っているわよね」 「はい。それでROOMMATESの安達さんが参加したいって」 綾崎さんはかつての仲間の話を引き合いに出しています。 「うん、監督もその件は前向きに考えていて、小波蹴球団戦後にアントニオ監督が訪問した時に直接返事をする予定だったの」 みんなは静かに麻生コーチの話を聞いています。 「しかし、昨日の敗戦で北見監督も相当にショックを受けたみたいで、『こんな状態でみんなの精神面をケアできるだけの度量がない。少しひとりで考えて、そのなかで自分がどうしたいか考えたい』そう言っていました」 「そうだったんだ…」 ナツもしんみりと喋りました。 「だから、2人で旅に出るとはいっても、別に遊びに行く訳ではなく、お互いに深く考えなければいけないことがあるから、その時間が欲しい、ということみたいなの」 「それじゃ、次のFCはばたき戦のオーダーは?」 神戸さんが口を挟みました。 「基本的には監督は何もいいません。インタビューでいった八重さん、井上さん、神条さん、橘さんを外し、藤沢さんはそのままベンチに、その前提を守った上で、みんなで話し合って決めるように、と言っていました」 ビックリしました。 まさかゲームのオーダーを選手が決める、と言うのは前代未聞じゃないでしょうか。 でも… 何となくみんな、監督の考えが分かった感じに思えました。 立て直すのは監督じゃない。 たとえ名将でも、選手が動かなければ立ち直るものも立ち直らない。 だから、今は私たちがしっかりしなければいけない。 どうすればWoody BELL'Zが強くなれるか、まずは自分で考えよう。 北見監督が目指すチームの一端が、ここで垣間見えて気がしました。 今日はその後解散になり、みんな三々五々家に帰っていきました。 私も家に帰りながら、どうすれば八重さん抜きでもっと強くなれるか、考えてみようと思います。 PR |
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